ティリッヒとアーレント
2008年度京都大学キリスト教学の特殊講義では、次の議論を展開する予定。
ティリッヒの宗教社会主義論を、『社会主義的決断』(1933)を中心に、まとめる。
ティリッヒの方法論的基盤は、ハイデッガーの基礎的人間学であり、
人間学から政治思想へという議論がその特徴になる。
この関連で、ティリッヒの政治的ロマン主義とC.シュミットのそれとの比較がなされるが、
C.シュミットの政治思想の哲学的基礎が問われることになる。おそらく、シュミットの特質
は、哲学的思索以外の点に求められるべき。
小坂井敏晶の『神話という虚構』と『責任という虚構』(東京大学出版会)は、興
味深い。一度本格的に扱ってみたい。
こうした議論(人間学から政治思想)との関わりで、アーレントとティリッヒとを比較するとどうなるか。
アーレントを人間学という視点からまとめる、という課題。
博士論文におけるアウグスティヌス論、創造論
『人間の条件』『精神の生活』から、人間論を取り出すこと。その点から、政治思想を解釈する
こと。
さらには、キリスト教思想との関わり。
アウグスティヌスをめぐる人間とキリストとの関係
創造/受肉/復活/終末、新しさ/歴史
誕生の哲学という観点(森一郎)