伝統・サクラメント・秩序


平等と階層という二つの原理からサクラメントをとられること。
   献身、叙階・婚姻、終油と、階層性
 このサクラメント的原理は、キリスト教の諸伝統を、とくに秩序理解との関わりで論じる際の基準となる。

・説教の資格
  聖職者とは機能(平等性の中の資格)か身分(階層的地位)か

・サクラメントは神と人間(個人、共同体)の関係に止まらず、教会共同体の秩序形成に関わる。
 教会における秩序形成の論理は、平等と階層であり、それぞれのサクラメントはこの論理との密接に関わる。7つのサクラメントか2つのサクラメントかは、聖書に典拠があるなしということだけではなく、共同体形成の論理の何をどのように認めるかのかという問題に結びついている。たとえば、叙階のサクラメントは、階層の論理と不可分であり、プロテスタントの万人司祭原理と対立する。ここに伝統の差異が露わになる。

・秩序は差異性において機能する。この差異性を平等性と調和されるには、差異性を身分的実体性ではなく、平等な存在者における機能・個性の差異と解釈することが必要である。しかし、二項関係としての差異性は、上下関係や対立関係に「自然に」移行し、上下の支配・被支配の階層性として具体化される。それはとくに、二項関係のいずれかの項が、この二項関係の意味解釈の担うとき(聖職者と非聖職者は、聖職者が説教・教導とサクラメント執行の担うとくに、機能の差異に止まらない、上下の階層を生じる。聖職者の権限とその根拠付け自体が聖職者によって行われるという構造。男女の二項関係も、男性に理性が対応させられるとき、同じ構造を生み出す。)、つまり、二項関係に自己言及性が生じるときに発生するメカニズムである。ここにも自己言及性・再帰性が機能している。

     研究メモへトップページへ


inserted by FC2 system