有賀鐵太郎(1899-1977)


A.人と思想

「昭和23(1948)年、有賀鐵太郎(1899〜1977)を教授に迎え、再建の道を歩むことになった。教父学を中心とするキリスト教思想史を専門とする有賀は、『オリゲネス研究』(1943年)で教父思想研究の立場を確立するとともに、ヘブライズムとヘレニズムとの歴史的交渉を究明し、キリスト教思想の根底にヘブライズムに発する独特の思想、ハヤトロギアがあることを解明した。『キリスト教思想における存在論の問題』(1969年)はその成果である。有賀の時代から教父学を専門とする学生が出始め、本講座の1つの特徴となっている。また、本講座から専攻学生が出るようになったのも、有賀の時からである。それまでは、キリスト教学を学ぶ学生も区別なしに第1講座に所属していたからである。」(『京都大学百年史/部局史編1』第2章より)

B.略年譜

1917年:同志社大学神学部入学
1922年:同志社大学卒業。その後、シカゴ大学、コロンビア大学、ユニオン神学校へ留学。
1926年:同志社大学文学部神学科専任講師。
1930年:同志社大学文学部神学科教授。
1935年:ユニオン神学校に再留学し、Th.D.(神学博士)の学位授与。
1946年:『オリゲネス研究』により、京都大学より文学博士授与。
1947年:同志社大学神学部初代部長。
1948年:京都大学文学部教授(哲学科宗教学第二講座担当)。
1954年:シカゴ大学より名誉神学博士(D.D.)。
1962年:京都大学定年退官。松蔭短期大学学長就任。
1963年:日本キリスト教協議会(NCC)宗教研究所を開設、所長就任。
1965年:第二ヴァチカン公会議に、日本代表プロテスタント・オブザーバーとして出席。
1965年:神戸女学院院長就任。
1970-1974年:日本基督教学会理事長。
1974年:京大学名誉教授の称号授与。

C.主要著作

1.『有賀鐵太郎著作集』全5巻、創文社、1981年。

 ・第1巻
  オリゲネス研究(1943年初版。著作集は1946年再版を底本とする)

 ・第2巻
  ヘブル書註解(1935)

 ・第3巻
  象徴的神学(1946)、歴史神学諸論文

 ・第4巻
  キリスト教思想における存在論の問題(1969)

 ・第5巻
  信仰・歴史・実践(説教、講話)

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