キリスト教思想・宗教思想研究文献表      
(2005/3/9)


  基本的哲学書 / 近代キリスト教思想 / 現代キリスト教思想 / 現代哲学
   / 日本の近現代キリスト教思想とリスト全体に関連した邦語文献 (5−1)(5−2) 

 以下の文献リストは次の方針で作成されている。 
 1.一人の思想家について一文献を原則として、今回は、まず絞り込んだリストを作成する。この原則に従うことによって、以下の文献表には、思想家としての重要度という点から見て、アンバランスが生じることになってしまった。こうした不備な点は、後日、このWeb上の別のページに、これをより進んだより完成度の高い文献表を掲載し改善を行う予定であるが(文献表中の誤りについては、随時修正を行う)、こうした改訂作業にはかなりの時間を要すること、しかも改訂は繰り返しを必要とすることに留意いただきたい。文献表に当然リストアップすべきもので、しかしこの文献表には漏れている文献については、リストアップの不完全さのためとお考えいただきたい。

 2.外国の思想家の著作は、基本的に邦訳でリストアップする(読みやすい、あるいは入手しやすい邦訳を挙げるように心がけた。参考までに、『全集』や『著作集』も併記した)。原書による文献表の作成はここでの課題ではない。リストは、一応年代順や関連性などを念頭においてはいるが、これも厳密ではない(思想家ごとにリストを作ったため、年代順という原則を守るのは不可能である)。

 3.文献表は一応ジャンルわけを行っているが、これは便宜的なものであるとお考えいただきたい。厳密には諸学の関連について一定の見取り図を示すことが必要であるが、ここではそこまで大きな議論を行う用意はない。たとえば、「日本の近現代キリスト教思想とリスト全体に関連した邦語文献」などという表現になったのは、そのためである。

 4.聖書学関係の文献は、今回のリストでは省略した。また、キリスト教倫理やキリスト教関係以外の日本の宗教哲学(京都学派関連など)に関連した文献も多くは収録することができなかった。これらについても、後日機会があれば、文献表を作成したい。

 5.文献は、近代(とくに、啓蒙思想)以降に限定して掲載する。したがって、キリスト教教父や宗教改革者の著作自体は省略した。しかし、近代以前の思想家についての現代の研修者による研究文献はリストアップの対象とする。なお、この文献表での近代と現代の区分は、キリスト教神学に関しては、基本的に弁証法神学登場以前と以後を規準としているが、哲学などの関しても暫定的に同様の区別を行うことにする。



(1)宗教研究にとって重要な基本的哲学書
デカルト
  『省察』『哲学原理』(岩波文庫)
  『デカルト著作集』(白水社)
スピノザ
  『エチカ』(上下、岩波文庫)、『神学・政治論』(全二巻、岩波文庫)
パスカル
  『パンセ』(講談社文庫、中公文庫、角川文庫)
  『パスカル著作集』(教文館)
ライプニッツ
  『単子論』(岩波文庫)
ルソー
  『社会契約論』(岩波文庫)
  『ルソー全集』(白水社)
ロック
  『人間悟性論』(上下、岩波文庫)
ウェスレー
  『キリスト者の完全』(『現代キリスト教思想叢書』4巻、白水社)
  『ウェスレー著作集』(新教出版社)
ヒューム
  『宗教の自然史』『自然宗教に関する対話』『奇蹟論・迷信論・自殺論』(法政大学出版局)
アダム・スミス
  『道徳情操論』(未来社)
カント
  『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』(岩波文庫)
  『たんなる理性の限界内の宗教』(岩波書店『カント全集』10、理想社『カント全集』9巻)
   『カント全集』(岩波書店、理想社)
フィヒテ
  『全知識学の基礎』(岩波文庫)、『啓示とは何か あらゆる啓示批判の試み』(法政大学出版局) 
シェリング
  『人間的自由の本質』(岩波文庫) 
ヘーゲル
   『精神の現象学』(『ヘーゲル全集』4, 5巻)
  『宗教哲学講義』(岩波書店『ヘーゲル全集』15, 16, 17,巻)
   『ヘーゲル全集』(岩波書店)
シュトラウス
  『イエスの生涯』(I, II、教文館)
フォイエルバッハ
  『キリスト教の本質』(上下巻、岩波文庫)
  『フォイエルバッハ全集』(福村出版)
ニーチェ
  『偶像の黄昏・アンチクリスト』(新潮文庫)、『人間的、あまりに人間的』(ちくま学術文庫)
  『ニーチェ全集』(白水社)
マルクス
  『ドイツ・イデオロギー』(岩波文庫)
ミル
  『自由論』(岩波文庫)
ベルクソン
  『道徳と宗教の二源泉』(岩波文庫)

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(2)近代キリスト教思想・宗教思想・哲学
シュライアーマッハー
  『宗教論 宗教を軽んずる教養人への講話』(岩波文庫、筑摩書房)
  Die christliche Glaube nach den Grundsaetzen der evangelischen Kirchen im
  Zusammenhange dargestellt. Band I,II , 1820/21 oder 1830/31
リッチュル
  『義認と和解』(『現代キリスト教思想叢書』1巻、白水社)
キルケゴール
  『死に至る病』(岩波文庫)
  『キルケゴール著作集』(白水社)、『キェルケゴール著作全集』(創言社) 
ニューマン
  『心が心に語りかける』(ニューマン説教選、中央出版社)
  『わが生涯の弁』(『現代キリスト教思想叢書』14巻、白水社)
チェスタトン
  『正統思想』(『現代キリスト教思想叢書』14巻、白水社)
  『チェスタトン著作集』(春秋社)
ルナン
  『イエス伝』(岩波文庫)
ハルナック
  『基督教の本質』(岩波文庫)
ケーラー
  『いわゆる史的イエスと歴史的=聖書的キリスト』(『現代キリスト教思想叢書』2巻 白水社)
ヘルマン
  『信仰の真理』(『現代キリスト教思想叢書』2巻、白水社)
トレルチ
  『歴史主義とその諸問題』(上中下、著作集4,5,6)
  Die Soziallehren der christlichen Kirchen und Gruppen (Gesammelte Schriften 1)
  『トレルチ著作集』ヨルダン社
オットー
  『聖なるもの』(岩波文庫)、『西と東の神秘主義 エックハルトとシャンカラ』(人文書院)
シュヴァイツァー
  『イエス伝研究史』(上中下、著作集17,18,19)『文化と倫理、文化哲学第二部』(著作集7)
  『シュヴァイツァー著作集』(白水社)
C.S.ルイス
  『四つの愛』(著作集2)、『キリスト教の精髄』(著作集4)
  『C.S.ルイス宗教著作集』(新教出版社)
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(3)現代キリスト教思想
バルト
  『ローマ書』(著作集14)、『教会教義学』(新教出版社)
  『カール・バルト著作集』(新教出版社)
ティリッヒ
  『組織神学』(全3巻、新教出版社)
  『ティリッヒ著作集』(白水社)
ブルンナー
  『キリスト教と文明の諸問題』(新教出版社)
  『ブルンナー著作集』(教文館)
ブルトマン
  『イエス』(未来社、著作集6)
  『ブルトマン著作集』(新教出版社)
ラインホルド・ニーバー
  『光の子と闇の子』(新教出版社)
H.リチャード・ニーバー
  『啓示の意味』(教文館)
ボンヘッファー
  『キリストに従う』(著作集3)
  『ボンヘッファー著作集』(新教出版社)
ジルソン
  『中世哲学の精神』(筑摩書房)
テイヤール・ド・シャルダン
  『現象としての人間』(みすず書房)
  『テイヤール・ド・シャルダン著作集』(みすず書房)
ニーグレン
  『アガペーとエロース』(新教出版社)
トーレイフ・ボーマン
   『ヘブライ人とギリシヤ人の思惟』(新教出版社)
V.ロースキィ
  『キリスト教東方の神秘思想』(勁草書房)
W.イェーガー
  『初期キリスト教とパイデイア』(筑摩書房)
H.チャドウィク
  『初期キリスト教とギリシア思想』(日本基督教団出版局)  
M.ヘンゲル
  『ユダヤ教とヘレニズム』(日本基督教団出版局)
ハーツホーン
  『自然神学の可能性』(行路社)
トランス
  『科学としての神学の基礎』(教文館)
ラーナー
  『自由としての恩寵』(『現代キリスト教思想叢書』13巻、白水社)
キュンク
  『教会論』(上下、新教出版社)
グディエレス
  『解放の神学』(岩波書店)
モルトマン
  『希望の神学』『三位一体と神の国』(新教出版社)
パネンベルク
  『組織神学の根本問題』(日本基督教団出版局)
  Wissenschaftstheorie und Theologie, Suhrkamp Verlag 1977
ユンゲル
  『神の存在 バルト神学研究』(ヨルダン社)
カウフマン
  『神学の方法をめぐるエッセー・神と『空』』(ヨルダン社)
  In Face of Mystery. A Constructive Theology, Harvard University Press 1993 
カブ
  『対話を超えて−キリスト教と仏教の相互変革の展望−』(行路社)
リンドベック
  『教理の本質』(ヨルダン社)
コーン
  『抑圧された者の神』(新教出版社)
リューサー
  『性差別と神の語りかけ』(新教出版社)
ヒック
  『宗教の哲学』(勁草書房)、『宗教的多元主義』(法蔵館)
バーナード・マッギン
  『アンチキリスト』(河出書房新社)
マクグラス
  『宗教改革の思想』(教文館)
  The Foundations of Dialogue in Science & Religion, Blackwell 1998
Sallie McFague
  Models of God. Theology for an Ecological, Nuclear Age, Fortress 1987
Langdon Gilkey
  Reaping The Whirlwind. A Christian Interpretation of History, The Seabury Press 1981
Dieter T. Hessel and Rosemary Radford Ruether (eds.)
  Christianity and Ecology. Seeking the Well-Being of Earth and Humans,
  Harvard University Press 2000

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(4)現代哲学
ディルタイ
  『精神科学における歴史的世界の構成』(以文社)
カッシーラー
  『シンボル形式の哲学』(全三巻、岩波文庫) 
シェーラー
  『宇宙における人間の地位、哲学的世界観』(著作集13)
  『シェーラー著作集』(白水社)
ハイデッガー
  『有と時』(全集2)/『存在と時間』(上中下、岩波文庫)
  『ハイデッガー全集』(創文社)
ヤスパース
  『啓示に面しての哲学的信仰』(創文社)
  『ヤスパース選集』(理想社)
マルセル
  『存在と所有』(世界の名著『ヤスパース・マルセル』中央公論社)
サルトル
  『存在と無』(人文書院)
ブーバー
  『我と汝』(岩波文庫)
  『ブーバー著作集』(みすず書房)
ショーレム
  『ユダヤ神秘主義』(法政大学出版局)
バタイユ
  『内的体験 無神学大全』(平凡社)
シモーヌ・ヴェーユ
  『重力と恩寵』(講談社)、『神を待ちのぞむ』(勁草書房)
  『シモーヌ・ヴェーユ著作集』(春秋社)
デューイ
  『誰でもの信仰』(春秋社)
ジェイムズ
  『宗教経験の諸相』(上下、岩波文庫)、『純粋経験の哲学』(岩波文庫)
ホワイトヘッド
  『過程と実在』(上下、著作集10,11)
  『ホワイトヘッド著作集』(松籟社)
ラッセル
  『自由人の信仰』『なぜわたしはキリスト教徒でないか』(河出書房新社『世界の大思想』26)
ウィトゲンシュタイン
  『論理哲学論考』(全集1、法政大学出版局)、『哲学探究』(全集8)
  『ウィトゲンシュタイン全集』(大修館書店)
ブロッホ
  『希望の原理』(全三巻、白水社)
ガダマー
  『真理と方法』(全三巻、法政大学出版会)
ディーター・ヘンリッヒ
  『神の存在論的証明』(法政大学出版会)
レヴィナス
  『全体と無限』『観念に到来する神について』(国文社)
ヘッシェル
  『人間とは誰か』(教文館)
アレント
  『精神の生活』(上下、岩波書店)
プランティンガ
  『神と自由と悪と』(勁草書房)
ハンス・ヨナス
  『責任という原理』(東信堂)
デリダ
  『死を与える』(ちくま学芸文庫)、
  『哲学における最近の黙示録的語調について』(朝日出版社)
リクール
  『悪のシンボリズム』(渓声社)、『聖書解釈学』(ヨルダン社)

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(5)日本の近現代キリスト教思想とリスト全体に関連した邦語文献
(5−1)
内村鑑三
  『後世への最大遺物・デンマルク国の話』(岩波文庫)
  『内村鑑三全集』(岩波書店)
植村正久
  『真理一斑』(著作集4)
  『植村正久著作集』(新教出版社)
新渡戸稲造
  『武士道』(教文館)
小崎弘道
  『基督教の本質』(全集1)
  『小崎弘道全集』(日本図書センター)
矢内原忠雄
  『国家の理想−戦時評論集』(岩波書店)
  『矢内原忠雄全集』(岩波書店)、『聖書講義』(全八巻、岩波書店)、
  『キリスト者の信仰』(全八巻、岩波書店)、『土曜学校講義』(全10巻、みすず書房)
高倉徳太郎
  『福音的基督教』(新教出版社)
  『高倉徳太郎全集』(高倉全集刊行会、非売品)
波多野精一
  『時と永遠』(全集4)
  『波多野精一全集』(岩波書店)
山谷省吾
  『基督教の起源』(上下、新教出版社)
佐藤繁彦
  『ルターの根本思想』(ルター研究会)
石原謙
  『キリスト教の源流』(岩波書店)
  『石原謙著作集』(岩波書店)
熊野義孝
  『教義学』(上下、全集7,8)
  『熊野義孝全集』(新教出版社)
桑田秀延
  『基督教神学概論』(全集1)
  『桑田秀延全集』(キリスト新聞社)
有賀鐵太郎
  『キリスト教思想における存在論の問題』(著作集4)
  『有賀鐵太郎著作集』(創文社)
武藤一雄
  『神学と宗教哲学との間』(創文社)
岩下壮一
  『カトリックの信仰』(講談社学術文庫)
滝沢克己
  『仏教とキリスト教』(法蔵館)
  『滝沢克己著作集』(法蔵館)
北森嘉蔵
  『神の痛みの神学』(講談社学術文庫)
森田雄三郎
  『キリスト教の近代性』(創文社)
小川圭治
  『主体と超越 キルケゴールからバルトへ』(創文社)
金子晴勇
  『ルターの人間学』(創文社)
水垣渉
  『宗教的探求の問題』(創文社)
平石善司
  『フィロン研究』(創文社)
佐藤吉昭
  『キリスト教における殉教の研究』(創文社)
宮田光雄
  『平和の思想史的研究』(創文社)
関根正雄
  『古代イスラエルの思想』(講談社)
  『関根正雄著作集』(教文館)
八木誠一
  『新約聖書の成立』(新教出版社)、『フロント構造の哲学』(法蔵館)
佐藤敏夫
  『キリスト教神学概論』(新教出版社)
大木英夫
  『新しい共同体の倫理学 基礎論上下』(教文館)
古屋安雄
  『宗教の神学 その形成と課題』(ヨルダン社)
今野国雄
  『修道院』(近藤出版社)
土肥昭夫
  『日本プロテスタント・キリスト教史』(新教出版社)
武田清子
  『土着と背教 伝統的エトスとプロテスタント』(新教出版社)
石田友雄
  『ユダヤ教史』(世界宗教史叢書、山川出版社)
小田垣雅也
  『解釈学的神学』(創文社)
野呂芳男
  『神と希望』(日本基督教団出版局)
森有正
  『思索と経験をめぐって』(講談社学術文庫)
大崎節郎
  『カール・バルトのローマ書研究』(新教出版社)
大林浩
  『アガペーと歴史的精神』(日本基督教団出版局)
近藤勝彦
  『デモクラシーの神学思想 自由の伝統とプロテスタンティズム』(教文館)
安酸敏眞
  『レッシングとドイツ啓蒙 レッシング宗教哲学の研究』(創文社)
間瀬啓允
  『現代の宗教哲学』(勁草書房)
稲垣久和
  『宗教と公共哲学−生活世界のスピリチュアリティ』(東京大学出版会) 
落合仁司
  『地中海の無限者−東西キリスト教の神−人間論』(勁草書房)
栗林輝夫
  『荊冠の神学』(新教出版社)
芦名定道
  『ティリッヒと現代宗教論』(北樹出版)
森本あんり
  『ジョナサン・エドワーズ研究』(創文社)
土井健司
  『神認識とエペクタシス』(創文社)
武藤慎一
  『聖書解釈としての詩歌と修辞 シリア教父エフライムとギリシア教父クリュソストモス』(教文館)
キリスト教アジア資料センター編、李仁夏・木田献一監修
  『民衆の神学』(教文館)

(5−2)
辻村公一
  『ハイデッガー論攷』(創文社)
山田晶
  『アウグスティヌス講話』(新地書房)、『アウグスティヌスの根本問題』(創文社)
稲垣良典
  『トマス・アクィナス哲学の研究』(創文社)
K・リーゼンフーバー
  『中世哲学の源流』(創文社)
大峯顕
  『フィヒテ研究』(創文社)
薗田坦
  『<無限>の思惟』(創文社)
片柳栄一
  『初期アウグスティヌス哲学の形成』(創文社)
稲村秀一
  『ブーバーの人間学』(教文館)
量義治
  『宗教哲学としてのカント哲学』(勁草書房)
岩波哲男
  『ヘーゲル宗教哲学の研究』(創文社)
諸岡道比古
  『人間における悪 カントとシェリングをめぐって』(東北大学出版会)
星川啓慈
  『ウィトゲンシュタインと宗教哲学 言語・宗教・コミットメント』(ヨルダン社)
永見勇
  『象徴としての宗教』(創文社)
金子新二
  『「神の国」思想の現代的展開』(教文館)
鶴岡賀雄
  『十字架のヨハネ研究』(創文社)
市川裕
  『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会)
野田宣雄
  『教養市民層からナチズムへ 比較宗教社会史のこころみ』(名古屋大学出版会)
松永俊男
  『ダーウィンの時代 科学と宗教』(名古屋大学出版会)
梅津順一
  『近代経済人の宗教的起源』(みすず書房)

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